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ドライアイ

しみず眼科|姫路市青山西の眼科・小児眼科

ドライアイとは

ドライアイ

ドライアイは、目を守るのに欠かせない涙の量が不足したり、涙の質のバランスが崩れることによって涙が均等に行きわたらなくなる病気であり、目の表面に傷を伴うことがあります。いわばドライアイは涙の病気と言えます。高齢化、エアコンの使用、パソコンやスマートフォンの使用、コンタクトレンズ装用者の増加に伴い、ドライアイ患者さんも増えており、その数は2,200万人とも言われています。

よく間違われる疾患

「目がショボショボする」など、初期症状がドライアイと似た病気に「眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」があります。40歳以上の女性に多く、症状が進むと自分の意思で目が開けられなくなります。ドライアイの治療を受けても回復しなければ、神経眼科で詳しく調べることをお勧めします。

なりやすい年齢

ドライアイは、長時間パソコンやスマートフォンの画面を見続ける若い人が訴えて受診されることが多い病気であることは事実ですが、実はドライアイで受診する人の半数近くは50歳以上の方々が占めています。その理由として、年齢を重ねるとともに涙をつくる機能や粘膜が衰え、ドライアイになる可能性が高まると考えられています。

ドライアイの原因

「最近、よく目が疲れる・・・」もしかすると、それはドライアイかも知れません。パソコンやテレビ、携帯電話の画面などを見続ける生活により、知らず知らずのうちに目を酷使してしまい、その結果、目が疲れやすい、あるいは何となく目に不快を感じるという人が増えています。こうした疲れ目などの原因として最近注目されているのが目の乾き、ドライアイです。
ドライアイは、涙の量が足りなくなったり、涙の成分が変化したりする病気であり、目の表面に傷を伴うことがあります。ドライアイが進行すると、視力低下や痛み、角膜上皮剥離(角膜が乾燥してはがれる病気)を発症してしまうこともあります。

1.コンタクトレンズを使用している方
コンタクトレンズを使用している方は、使用されていない方に比べて目が乾燥しやすい状態にあります。目がごろごろする、充血するなどの症状が出る方はドライアイの可能性が大です。
2.パソコンを長時間使う方
仕事で毎日パソコンを長時間使う方、特に、細かい数字や文字を扱う等、精神を集中することが多い仕事をされる方は要注意です。ネットゲームで画面を凝視している方も注意が必要です。
3.エアコンを長時間利用する方
空調が効いたオフィスで一日中仕事をなさる方、家庭で無防備に空調の風を顔にあてている方は要注意です。目はすぐ乾いてしまいます。
4.半年以内に屈折矯正手術をした方
屈折矯正手術は、レーザーで角膜を削って視力を向上させる手術。ほとんどの場合、一時的に知覚低下が生じて、合併症として術後3〜6ヵ月程度ドライアイになります。ほとんどの場合、一定期間が経過すればある程度改善されますが、中には長期に渡ってドライアイが改善されない場合もあります。
5.夜更かしする方
残業や飲み会、深夜のネットサーフィンや電話で、睡眠不足になっていませんか?夕方や夜になると目の調子が悪くなる方はドライアイの可能性があります。
6.旅行や出張の多い方
仕事で飛行機に長時間乗ることが多い方や、ホテルをよく利用される方は注意が必要です。
7.花粉症の方
春に多い花粉症。花粉症は、スギなどの花粉によっておこる目や鼻のアレルギーです。花粉症になると目がかゆくなったり、充血、涙が出るなどの症状が出ますが、これらの症状はドライアイでも見られます。ドライアイと花粉症は似たような目の症状があり、二つの病気が合併していることもあります。
8.運転をよくする方
タクシーやバス、トラックなど長時間運転する職業の方、仕事で車を使うことの多い営業職の方、ドライブが趣味の方、運転中に目に不調を感じるようならドライアイかも。
9.ご高齢の方
年を重ねると私たちの身体には様々な老化現象が現れ、目も例外ではありません。年齢を重ねるごとに涙をつくる涙腺の分泌機能が低下し、分泌する涙の量が減ることが知られています。

受診のタイミング

ドライアイは、生活習慣や他の病気などにより、涙の量や質が変わってしまうことで起こる病気です。そのため、市販の目薬で水分を補うだけでは十分ではない場合もあります。また、市販の目薬や水道水による洗眼は、かえって病状を悪化させてしまうこともあります。少しでも気になったら、お気軽にご相談ください。

検査・診断

1.目の疾患を探る視力検査
眼科で必ず行われる最初の検査です。視力検査から、ドライアイだけでなく、他の疾患がないかを探っていきます。
2.目の傷の有無・程度を探る顕微鏡検査
目の表面の傷を見る検査です。フルオレセインという黄〜橙色の試薬を点眼すると、角膜(黒目)の傷のある部位が染まります。細隙灯顕微鏡で染色部を観察しながら、傷の有無や程度をチェックします。
3.涙の質を調べるBUT検査
涙がたくさん出ても、質が良くないために目の表面がすぐ乾くこともあります。涙の質を調べる検査で、目を開いてから目の表面の涙の膜が破壊されるまでの時間(Break Up Time)を測ります。BUTが5秒以下の場合、ドライアイが疑われます。
4.涙の量を調べるシルマー検査
涙の量を調べる検査で、目盛りのついた専用の試験紙を下まぶたの端に5分間挿入します。試験紙が涙で濡れた長さで、涙の量を測ります。涙の量が5mm以下の場合、ドライアイが疑われます。試験紙の挿入による刺激で分泌される涙の影響を避けるために、点眼麻酔を使用する「シルマーテスト変法」を行うこともあります。

治療

ドライアイには、専門的な治療が効果的です。主な治療には点眼液によるものと、涙点閉鎖による治療があります。

1.ドライアイの治療薬
従来は、水分を補給し、傷ついた角膜を修復するタイプの目薬が使用されていました。最近では、涙の各成分に直接はたらきかけるタイプの目薬が開発されたことにより、ドライアイ患者さんごとの病態タイプに応じて、正常に機能していない涙の層をターゲットとした層別治療が可能になりました。
※涙は「水分」と「ムチン」という物質によって構成されており、両方のバランスの良い涙が質の良い涙といわれています。ムチンは水分を目の表面にとどまらせるなどのはたらきを担っています。
2.涙点プラグによる治療
点眼液で効果が得られない場合は、涙点閉鎖による治療を行います。涙の排出口である涙点を閉じ、涙の流出を抑えて涙を目の表面に十分にためる方法です。涙点からアテロコラーゲンという水溶液を挿入したり、シリコンや合成樹脂性の涙点プラグを挿入します。また、涙点閉鎖の治療には、涙点を縫い合わせる涙点閉鎖術もあります。当院では主に涙点からアテロコラーゲンという水溶液を挿入する治療を施行しています。