079-268-0700
  • 〒671-2224 兵庫県姫路市青山西2-19-12

緑内障

しみず眼科|姫路市青山西の眼科・小児眼科

緑内障とは

中途失明の原因疾患として日本で最も多い病気です。後期まで自覚症状に乏しいため、進行してから気付くケースが多く、特に片目だけに症状がある場合は無意識にもう片方の眼で補ってしまうため、かなり悪化してから初めて気付いて受診されるケースがあります。緑内障である方全体でみても、自覚症状がなく眼科を受診していない方は8割以上を占めると報告されたこともあります。進行して失った視野は取り戻すことができません。40歳以上の日本人における有病率は5%と言われており、リスクが上昇する年齢になったら、症状がなくても1度眼科検診を受けるようおすすめしています。

緑内障と眼圧

眼球の丸い形状は、内部から一定の圧力がかかることで保たれています。この圧力が眼圧です。眼圧が低すぎれば眼球がしぼんで正常にものを見ることができなくなりますが、眼圧が高過ぎると眼球の裏側にある視神経が圧迫されて障害を起こします。主な症状は視野が欠けて、見える範囲の一部が欠けてしまいます。緑内障は眼圧が高過ぎるケースもありますが、正常な眼圧で起こる正常眼圧緑内障があり、実は正常眼圧緑内障は全体の約7割と多くなっています。ただし、正常眼圧緑内障でも、眼圧をさらに下げないと症状が進行してしまうため、眼圧コントロールは不可欠です。

緑内障の原因

緑内障は視神経が障害されて起こる病気で、耐えられる数値以上に眼圧が高くなって引き起こされます。この眼圧には個人差があります。眼球を丸く保っている眼圧は、眼の中にある房水の量によって変わります。房水の排出は隅角から行われ、線維柱帯というフィルターを通ってシュレム管という出口から目の外に排出されます。

緑内障の分類

開放隅角緑内障

フィルターとして機能する線維柱帯が目詰まりを起こして房水の排出が滞り、それによって眼圧が上昇します。視野の欠損もゆっくり進行するため気付きにくく、注意が必要です。

閉塞隅角緑内障

房水の排出口である隅角が狭窄・閉塞して流れが妨げられて眼圧が上昇します。急激に発症する発作型も多く、要注意です。眼の痛み、目のかすみ、頭痛、吐き気などの急性緑内障発作を疑う症状があったら、速やかに眼科の治療を受けて眼圧を下げる必要があります。

正常眼圧緑内障

眼圧が正常範囲で発症する緑内障です。最も患者数が多いです。このタイプでも、眼圧を低く保つことで、進行速度を緩めます。

発達緑内障

先天的に房水の流れが未発達で起こる緑内障です。新生児や乳幼児が発症する早発型、10〜20代で発症する遅発型に大きく分けられ、早発型は急激に悪化しやすく、手術による治療が必要になるケースもあります。

続発緑内障

目のケガや炎症疾患、薬剤などの影響で眼圧が上がっている緑内障です。外傷、角膜疾患、ぶどう膜炎といわれる眼の炎症、白内障、網膜剥離、糖尿病、ステロイド剤などが原因で起こることがあります。

緑内障の症状

閉塞隅角緑内障は急速に進行しますが、多くはゆっくりと見える範囲が狭くなっていくため、自覚症状が現れた時点ではかなり悪化しているケースが多い疾患です。また、両眼の症状が同時進行することはまれですから、良い方の眼で見て脳が補完してしまい、視野がかなり欠けても気付かないことがあります。緑内障というと高齢者の病気と誤解されやすいのですが、実は40歳前後で発症していることが珍しくありません。リスクの上がる40歳を超えたら、一度眼科検診を受けられることをお勧めします。

急性緑内障発作

緑内障の症状の中で注意が必要なものの一つに、急激に眼圧が上昇して起こる急性緑内障発作です。治療が遅れると失明の可能性もあるため、できるだけ早く受診してください。急性緑内障発作は、眼の痛み、頭痛、吐き気といった強い症状が現れます。こうした症状は脳疾患でも起こりうるため、内科や脳神経科を受診される場合もあります。遠視の方に多いといわれます。

緑内障の検査

緑内障の診断には、眼圧検査、眼底検査、視野検査などが必要です。健康診断などでこうした検査の異常が指摘されたら、必ず眼科を受診して検査を受けるようにしてください。

眼圧検査

眼の表面に直接測定器具を当てる検査と、眼の表面に測定機器で空気を吹き付ける検査があります。眼圧の正常値は10〜21mmHgとされています。治療中の経過を確認する際にも行われます。

視力検査

緑内障でも視力低下は起こりますので、一般的な視力検査を行います。

眼底検査

視神経の状態を確認する検査です。視神経乳頭部の陥凹(へこみ)の形を観察して変形やサイズの異常がないかなどを確認し、視神経障害の有無を調べます。

視野検査

視野の欠損の有無、その程度を確認して、進行状況を判定します。

OCT(光干渉断層計)

OCTとは、網膜を三次元で解析してくれる検査機器です。視神経の厚さを調べ、緑内障の進行度を確認します。

隅角検査

隅角は房水の排出される部分です。隅角の広さや異常の有無を検査して、緑内障のタイプを診断します。

当院の治療

視神経が受けた障害を元に戻すことはできないため、緑内障は完治が不可能ですが、適切な治療を続けることで進行速度を緩めることは可能です。視神経がこれ以上ダメージを受け、視野の欠けが広がらないようにします。基本的に眼圧を下げる点眼薬で治療を行います。房水の産生を抑制する薬、房水の流出を促す薬などさまざまな作用の点眼によって、眼圧を低く保ちます。眼圧が高くない場合も、眼圧を下げると緑内障進行を抑制できます。数種類点眼を使用しても眼圧が下がらずに視野障害が進行する場合は手術を施行します。当院でも日帰り手術を施行しています。

定期的に検査を受けましょう

緑内障は日本人の失明原因の第1位です。ただし、早期発見・早期治療で視神経の障害を最小限に抑えることで、将来的にも日常生活を支障なく行うことができます。欠けてしまった視野を取り戻すことはできないため、地道に進行を抑制する治療を続けていくことがとても重要です。せっかく早期に発見されても、日常生活にほとんど不自由がないため、つい治療をおろそかにしてしまうケースがありますが、進行させてしまうと大きく視野が欠けてしまいます。しっかりと治療や通院を習慣付け、いつまでも快適に過ごせるよう、当院では親身にバックアップしています。また閉塞隅角緑内障の患者様、つまり約1割の緑内障患者様は薬剤制限や体位制限が必要となります。患者様の緑内障タイプは、緑内障診断のついた段階で皆様にお話し、自分に薬剤制限・体位制限が必要かご提示いたします。不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。